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文学・評論 外国の著者8
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文学・評論 外国の著者8
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文学・評論 外国の著者8
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罪と罰 (まんがで読破)


ドストエフスキー
¥ 580 通常24時間以内に発送
★★★★

罪と罰 (まんがで読破)
主人公が高利貸しのおばあさんを殺して、自分を正当化していく心情を 描いた倒叙ミステリーの古典。 かなりスリリングな展開なので思わず物語に引き込まれてしまいます。 これを読んだら是非小説にも挑んでください。おばあさんを殺害するシーンの 描写はやはり小説にはかないませんし、細かな心理描写は小説になってしまいます。 まず漫画でアウトラインを押さえてから小説へ原著は恥ずかしながらまだ読んだことがありませんでした。 マンガにすると一気に15分くらいで読めてしまいます。内容もわかりやすく大体の話の流れが理解できました。 今度原著も読んでみたいなあ、ときっかけ作りにさせてくれます。 絵柄も癖がなくて受け入れやすいです。「天才は何をしても許される。殺人さえも…。」 そういう倫理観で高利貸しの老婆を殺害した主人公。 しかし、彼も自分の良心の呵責には耐えきれなくなった。 その葛藤の様子をうまく表現している。 最後に、この主人公と今のアメリカの何をしても許されるといった姿勢が重なるように描かれている。 さすがに名作です。「非凡人(英雄)は凡人と違って、"正義"のためなら何をやっても許される」という考え...

カラマーゾフの兄弟 (まんがで読破)


ドストエフスキー
¥ 920 通常24時間以内に発送
★★★★

カラマーゾフの兄弟 (まん...
前々から気になりつつも、原作の文章量に抵抗があり名前も覚えにくい所から読まずじまいの作品でした。この漫画の評価としては、内容は分かりやすいものの、人物の考え方の変化や何故グルシェンカに惹かれるのかがいまいち分かりにくく感じました。グルシェンカの心の変化もいきなりのように感じたし……やはりあれだけの量をこんなコンパクトにまとめると仕方ないですよね;登場人物の顔の描き分けにより、名前も覚えやすかったですし、おおまかなあらすじも分かったので原作にチャレンジしたいと思えるようになりました(^-^)難しい本なのでマンガで十分だと思います。ある本の批評では「法学部で司法を学ぶ人に推薦」って書いてありました。絵が汚いのは同シリーズ『変身』と同じだが、内容はもっとひどい。 地上の利益を無視して神に従うことの出来ない人間の弱さを赦さない 神を糾弾した、あまりにも有名な「大審問官」がただの神への悪口に 果てしなくレヴェル・ダウンしている。またそれに対して あくまでも神への信頼と人間性の向上を説いた崇高な「ゾシマ長老の説教」は 省略に等しい扱い。 元々活字を漫画にすると情報量が減るのだから、どうしてもこの...

戦争と平和 (まんがで読破)


トルストイ
580 通常24時間以内に発送
★★★★

戦争と平和 (まんがで読破)
世界史をマスターしていないせいか、1回読んだだけではあまりよく分かりませんでした。 2回読むと分かってきました。 内容は、19世紀初頭に、フランスとロシアとの戦争が舞台になっています。 それを背景に、若者がいろいろ思い悩みながら成長していく物語です。 恋愛や死に直面した若者の心境が豊かに描かれています。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)


ドストエフスキー
¥ 760 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟1 (光...
文体は饒舌で情緒的、観念的。登場人物は歓喜し絶望し冷笑し絶叫する。その感情の起伏はジェットコースターのよう。 あらすじ的には父親殺しを巡る推理劇と言えなくもない。しかし、メインプロットとはどうみても無関係に思われるサブプロット、ディテール、登場人物が、要するに枝葉がこれでもかとばかりに繁茂している。いったい今読んでいるこの部分は、この大木の幹につながっているのだろうか?とたびたび不安になり、うんざりしてくる。 たとえば神の存在について登場人物が開陳する持論。それが、先述の「過剰な」叙述でもって延々と描かれる。 第5巻の大半が費やされる訳者による「解題」によって、そうした「うんざり」の大半が相応の意味付けを与えられはするのだが、もし解題なかりせばとんでもない徒労感が読後に残ったことだろう。 ところで、本書が世に出た19世紀ロシア(もくは欧州)の人々は、この大作をどのように読んだのだろう。 もちろん解題などないわけで、その中でこうした収まりの悪い「過剰な」エピソードやディテールをどう咀嚼したのだろうか。 少なくとも現代日本のスピード感や文化的問題意識においてはどうにも向きあうことの...

カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)


ドストエフスキー
¥ 820 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟2 (光...
フェラポント神父に始まり、スメルジャコフやスネギリョフ大尉などカラマーゾフを固める役者達が続々登場する。エピソードを通じて詳細な人物像が浮かび上がる。でもこの時点では、これが後半どのようなことに結びついていくのかはわからない。 わからないと言えば、「大審問官」も同じ。ゾジマ長老のアンチテーゼとして登場した感があるが、なぜかこの部分だけ邦訳そのものが難解。後半を読めば、第2巻でのエピソード群がどのような意味を持つのかわかるだろうと思いながら読み進めた次第。 一方、ミーチャの精神状態とフョードルとの関係はいずれも益々悪くなっていく。不安を抱えながら、第3巻へ突入する。アリョーシャは小川で子供のケンカに巻き込まれる。コレは、イワンの話の伏線だ。石ころは「闘争」パンは「貧困」を暗示する。くたびれた古いコートを着た少年は、孤軍奮闘インティファーダだ。 ■悪魔の質問「石をパンに変える」 コレは“争う兵士を平和な農夫にかえる”世俗政治の必要性だろうか?病気を抱える家族に、金銭的誘惑…姉歯建築士の耐震偽装事件05年11月を連想する。イワンの主張は『幼児虐待を前提としたキリスト教社会なんて...

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)


ドストエフスキー
¥ 1,080 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟 4 (...
2週間かけて読んだ。新訳は読みやすい、活字も大きい。 カラマーゾフ的なものとは清濁混沌とした人間性そのものなのだろうか。 百年以上経ってもこの小説は心に響く。インターネットが普及したぐらいでは、人の心のあり方なんてものは、そうそう簡単に変化するものではない。 →コーリャの存在感 めっぽう強いやつ 抜け目がなく、粘り強い、度胸もある、何かをすすんでやってのける気構えに満ちている 鉄道事件の後は、さすがに母と子は感極まり、まる一日、ひしと抱き合い、体を震わせて泣き通した 「プライドが高くて、目がぎらぎら光っている。そういうやつが大好き」 うちの学校じゃ、全科目一番の生徒 生活にまみれていない天性が、荒っぽい馬鹿げた話で歪められている 「たとえ一人きりになっても、きみだけはやっぱりみんなと別の人になるんですよ」 →散々な描かれ方のグルーシェニカが愛したポーランド人 乞食同然の恐ろしく貧しい暮らしぶり 連日、無心の集中砲火 →スコトプリゴニエフスク、町の名前、家畜追い込み町 父殺しの裁判をめぐる噂が、ロシア全国に隈なく広まっている →イワン モスクワから帰ると、...

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫) (光文社古典新訳文庫)


ドストエフスキー
¥ 660 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟 5 エ...
5巻まで読み終えるのに優に3ヶ月を要した。人間の善悪の本質、キリスト教と無神教、高貴な心と醜悪な感情、重層に繰り広げられる壮大なドラマである。150年経っても、人間の本質はさほど変わらないということを思い返された。 →気に入った表現をいくつか 子供時代の、両親といっしょにらした時代の思い出ほど、その後の一生にとって大切で、力強くて、健全で、有益なものはない どうか人生を恐れないで!なにか良いことや正しいことをしたとき、人生って本当に素晴らしいって、思えるんです! 新約聖書と旧約聖書、とくにドストエフスキーに強い興味を覚えさせたのは、神のむごたらしい試練を受け、信仰を失わないヨブの話 極端に内気で人付き合いの苦手な若いころのドストエフスキー 政治犯容疑のドストエフスキーは、4年間、シベリアの流刑地で人生の奈落を経験 罪と罰 世界文学史上に燦然たる光を放つ小説 農奴解放後のロシア社会を襲った混乱 ロシアが国家としての推進力を失い、崩壊の道を辿りつつあるという、ナショナリストとしての漠とした絶望感すぐれた訳者が必ずしもすぐれた解説者であるとは限らない。本書解題におけるバフチン...

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)


ドストエフスキー
¥ 880 通常24時間以内に発送
★★★★

カラマーゾフの兄弟3 (光...
ついに、この第三巻で父親フョードル殺しが出てくる。章立ては「アリョーシャ」「ミーシャ」「予審」となっているが、予審の章はミーシャが主役だから、この第三巻は殆どミーシャを中心とした話であると言ってよいだろう。 グルーシェニカの愛を確信できた途端に、父親殺しの疑いをかけられたミーシャ。金銭については性格破綻者と言ってよい彼の行動・発言はなぜか心に響く。憎めないキャラクターである。 話は変わるが、当時のロシアの風俗や習慣のわからない読者にとって、大きな助けとなるのが巻末の読書ガイドである。翻訳の現代語化もさることながら、これまでの翻訳と大きく異なるのはこの点かもしれない。訳者が読者にずっと寄り添って、この長編の読破を助けてくれる。つまり地上の罰(社会的罰)と、天上の罰(内面への罰)だ。ゾシマは、神のみが“良心の呵責”を認識でき、科学では無理という。例えば光市母子殺害事件 後、犯人の手紙が、証拠として公開された。 「選ばれし人間は…私を裁けるものはこの世におらず」 これら供述は『罪と罰』『ドラえもん』の丸写しだが、夢は小説家らしい。 一方で精神医学では、良心が欠落した異常者“サイコ...

おおきなかぶ―ロシア民話 (こどものとも傑作集 (26))


A.トルストイ 内田莉莎子 佐藤忠良
¥ 840 通常24時間以内に発送
★★★★★

おおきなかぶ―ロシア民話 ...
自分が子どもの頃に読んだ「おおきなかぶ」。 読み返してみると「うんとこしょ どっこいしょ」は、 リズム感もよく、その掛け声と一緒に体が動かしたくなる言葉です。 未来に伝えたい一冊です。大きなかぶを、みんなで力を合わせて引っ張る話です。 五歳の子供に読んでみました。 子供を、ひざに乗せて、 かぶを引く時に、子供を揺らしながら、 「うんとこしょ どっこいしょ」と読んでいくと大喜び。 子供も、ぬいぐるみを連れてきて、両手に抱えながら 一緒に引っ張っています。 また、かぶを引く人が 一人ずつ増えていくのも、おもしろいようで 「次は、○○が来るよねー。でも抜けないよねー」と 覚えたストーリーを話しながら、ニコニコしてます。 「読んで」と、リクエストの多い本です。国語の教科書にもあるし 歌にもなってます 学芸会では定番だったような 大きな大きなカブ お爺さん、お婆さん、孫、犬、猫、ネズミみんなで力を合わせてよいしょ自分が子供の時に読んだ本を、我が娘にも読んであげたくて購入しました。 お話の内容も分かり易く、『うんとこしょ、どっこいしょ』とリズムのある繰り返しで 娘もとても気に入った様で ...

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)


ドストエフスキー
¥ 798 通常24時間以内に発送
★★★★★

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)
すべての人間が、「凡人」と「非凡人」にわかれる・・・凡人は、服従を旨として ・・・非凡人は、・・・かってに・・・を越える権利を持っている。 『ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ』、どこか親近感を感じることも・・・危ないかな。 カラマーゾの兄弟に続いて、この作品を読んだ。次は悪霊、そして白痴と決めていたが、しばらく、ドストエフスキーから離れたほうがよさそうだ。なぜか突然、初めてドフトエフスキーを読みたくなった。 ロシア文学は難しそうな気がしていたが、江川卓さんの翻訳は とても読みやすく、ぐんぐん惹きつけられた。 3日間で3冊読破しました。 人間の心の描写がここまで深くできるものかと、驚嘆するばかりだった。 それに、私は果たして主人公のようにここまで自分の存在の意味、人生を 考えてきたか・・・と考えさせられた。 これから、「悪霊」や他の作品も是非読んでみたいと思いました。なぜこのタイトルなのか?それが知りたくて読みました。 時代背景や宗教観にちがいはありますが、現代社会においてもこの本が伝える罪と罰の真理は変わらないと思いました。 陰と陽、天使と悪魔、裕福と貧困、権力と暴力。。。...

罪と罰〈中〉 (岩波文庫)


ドストエフスキー 江川卓
¥ 798 通常24時間以内に発送
★★★★

罪と罰〈中〉 (岩波文庫)
ポンポン話が進んでいく。 おもしろい。 見ていて(読んでいて)非常におもしろく すぐに残りのページが無くなっていきます。 ドゥーニャとラズミーヒンが恋に落ちるの かと思いましたが、勘違いでした。 心理戦は、荒木 飛呂彦さんの漫画(スト ーリー)と同じ。 ジョジョの奇妙な冒険が好きだから、この 本も途中で挫折せずに、読み進めることが 出来るのだと思っています。 (他の漫画にも心理戦はありますが、陳腐 なので・・・) 次は、(下)を読まねば!!さすがドストエフスキーと言いたくなるような力強く読みやすい文体にぐいぐいと引き込まれ、いっきに読んでしまった。サスペンス、恋愛、ミステリーといったあらゆる要素が凝縮されていて、とてもひとくくりにはできない奥深さがある。 第2巻の本書はラスコーリニコフの苦悩、次第に周囲の目が自分に向きつつある中でのポルフィーリとの緊迫した駆け引きが描かれる。ポルフィーリとの心理戦もさることながら、ルージンとの縁談における強烈なまでの非常に人間臭いやりとりも見ものである。ã?"ã?®å??ã??è??ã??ã??å??ã?¯ä??ã?'è??ã??ã?¦æ®...

罪と罰〈下〉 (岩波文庫)


ドストエフスキー
¥ 840 通常24時間以内に発送
★★★★★

罪と罰〈下〉 (岩波文庫)
主人公ラスコリニーコフは、自惚れやで執念深く、ヒポコンデリーの症状のある男であり、 自分自身そのことに気づきながらも、自分には「しらみ」のような他の人間にはない「人間」 たる何か(例えば、世の立法者や権力者となる素質)があると信じている。 こうした主人公の徴については様々な解釈があると思うが、私はこれらの徴候は全て自己 愛に基づくものだと考える。つまり、ラスコリニーコフは自己愛に生きているが故に孤独であ り、「病的な自尊心の持ち主」だったのである。例えば、親身になって自分や家族の世話をし てくれているラズミーヒンに対して、彼は「いい男」とは言うが、一言も礼など言わず、むし ろその親切に対して迷惑だとったり、軽蔑したりしている。また、他人をほとんど自分より 下等のものと見たり、馬鹿にしたりすることに何の罪悪感もない。 彼は刑務所に入ってからもしばらくの間は自分の犯した「罪」を自覚できなかった。彼があ の殺人に対して抱いたものは、老婆への心からの贖罪ではなく、「しらみ」のような老婆を殺 すために、彼が歩むはずだった偉大な人生に汚点をつけ、母と妹を苦しめたことへの悔やみ だった。...

カラマーゾフの兄弟 上 新潮文庫 ト 1-9


ドストエフスキー
¥ 860 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟 上 ...
今、この小説の5度目の再読中。世界の文学作品中、真に読み継がれていくべき名作の1つであり、途中で止めるにしても、まずは読み始めてみることをお勧めします。読み進める中で、魅力的な登場人物達の各シーンでのセリフ、行動から、人間というものの多彩さについて読者は考えさせられます。 私にとって、上巻で(又は全巻を通じても)最も感動的なシーンはイリューシャ少年のエピソードです。主人公アリョーシャの長兄ドミートリイから、大好きな父親が受けた侮辱を少年はどうしても忘れることができない。最後には「パパ、ねえ、パパ、大好きなパパ、あいつはパパにひどい恥をかかせたんだね!」と父親と抱き合って泣いてしまう。2人の娘の父親として、自分の子供のこうした感情はなんともかわいそうで、何度読んでも、やり切れない気持ちになってしまいす。とても優しい少年の心に感動します。 これに対して、アリョーシャは、今になればドミートリイが自身の行為を悔やんで許しを求めるはず、とその父親に誓うのですが、高潔な精神を持つドミートリイは確かにそうするかもしれないと思います。しかし、そうしたシーンは結局出てこない。そこがまた、なんとも悲しい...

カラマーゾフの兄弟 下  新潮文庫 ト 1-11


ドストエフスキー
¥ 860 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟 下  ...
ドスト氏は、期待していた。アリョーシャがキリストの似姿として読者に読まれることを。私のおぼろな記憶が確かならば、物語の最後のほうで、アリョーシャが子供たちに囲まれて、何か語る場面があったはずだ。その囲んでいる子供の数は、確か、11、2人だったはずである。11、2人。イエスの弟子はイスカリオテのユダを除けば、11人、入れれば12人だ。確か、これを最後にアリョーシャの姿は、物語から消えてしまう。 太宰は、期待していた。「周さん」がキリストの似姿として、読者に読まれることを。「惜別」において、「周さん」は物語の最後のほうで、帰国して、民衆の精神を改革するため文芸運動を起こす決意を語り手に述べ、これを最後に「周さん」の姿は物語から消えてしまう。アリョーシャと「周さん」、両者は、何事かをなす前に読者を置き去りにして消えてしまうのである。「惜別」には、「周さん」が創作したとされる、難破した水夫の話が登場する。この話を井上ひさし氏は、『人間合格』において芥川「蜘蛛の糸」に出てくるカンダタの生前の行為とほとんど同じ話としてとらえている、と私は見る。つまり、どんな罪人でも、一生に一度は、よい行いを...

カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)


ドストエフスキー
¥ 820 通常24時間以内に発送
★★★★★

カラマーゾフの兄弟〈中〉 ...
中巻は、おおきくわけて二部ある。一つは、ゾンマ長老の死にあたって苦悩するアリョーシャ、そして二つ目は、ドミトリーの破局(完全にそうなのかは下巻を読まないとわからないが)である。 ゾンマ長老の死については、死んだ後でも聖なる人は決して死臭がただようばかりか、かぐわしい香りがすると信じられていたことに、まずカルチャーショックを覚える。で、実際、当然のことながら死臭がするのだけれど、それによって、長老制度に反対する物や、生前ゾンマ長老をよく思わなかった人たちは、生前の長老の行いについてやれこれと中傷はすれど、科学的な意見はでてこないところをみると、その時代のキリスト教の浸透がいかに磐石であったかをものがたる。なによりアリョーシャはそれにひどくショックを受けるが、彼なりに最後に悟りに似たように目が開ける。自分的には、彼は、きっと教会内部の権威やしきたりに縛られるのではなくて、社会の人に尽くすことが大事であると悟ったのではないかと思えた。ここででてくる寓話が、芥川龍之介の「くもの糸」とそっくりなのに気がついた。ロシアではくもの糸の変わりに「葱」であるところが面白い。 つぎにドミトリーであ...

シャーロック・ホームズの冒険―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)


アーサー・コナンドイル ArthurConanDoyle 日暮雅通
¥ 880 通常24時間以内に発送
★★★★★

シャーロック・ホームズの冒...
◆「赤毛組合」 ▼あらすじ 赤毛の質屋・ウィルスンは、店員の勧めで「赤毛組合」の欠員に応募し、見事合格した。 組合が彼に与えた仕事は、1日4時間、事務所で大英百科事典を筆写することだけ。 しかも、週給4ポンドという法外な報酬だった。 8週間続いたこの仕事は、事務所に残されていた「赤毛組合は解散した」 という声明文とともに終わったのだが……。 ▼感想 序盤において「赤毛組合」という、いかにも怪しげな組織が示された後、 中盤でのホームズの推理・調査、そして終盤の活劇へと繋がっていく メリハリの利いた展開は、まさに短篇のお手本といえます。 ◆「まだらの紐」 ▼あらすじ 2年前、ヘレン・ストーナーの双子の姉は原因不明の死を遂げる。 彼女が死の数日前から聞いていた「低い口笛」とは何なのか。 そして、彼女が最期に遺した言葉「まだらの紐」の意味とは? ▼感想 本作は《ダイイング・メッセージもの》であると同時に、外部からストーナーの 姉の部屋に侵入することが不可能であったことから《密室もの》でもあります。 ...

白痴 (上巻) (新潮文庫)


ドストエフスキー 木村浩
¥ 900 通常24時間以内に発送
★★★★★

白痴 (上巻) (新潮文庫)
この小説は、ぺテルブルグに向かふ鉄道の場面から始まる。トルストイの『アンナ・カレーニナ』においても、アンナとヴロンスキーが出会ったのは駅であったが、この小説も、登場人物たちは、鉄道を介して出会ふ。これは、当時のロシアとヨーロッパにおいて、鉄道が社会を大きく変えて居た事を映して居る。現代の社会で、携帯電話が人間関係を大きく変えた様に、この時代には、鉄道が、男女の関係を含めた人間関係を大きく変えつつあったのである。その鉄道によって、西欧が、ロシア人にとって、近い物に成った事が、この小説の背景として、決定的に重要な事だと、私は思ふ。ムイシュキンは、ロシア人でありながら、スイスで成長した。彼は、ロシアに夢を抱いて帰国するが、それは、頂度、ドン・キホーテが騎士道に夢想を抱いて旅に出たのに似て居て、ロシアは、ムイシュキンにとっての風車であったと言ふ事も出来る。そのロシアに夢を抱いて帰国したムイシュキンが、ロシアで、その夢を裏られると言ふのが、この物語の核心である事にもっと注目する必要が有ると、私は思ふ。 この小説を読んだ人は、黒澤明の映画『白痴』を見るべきである。『罪と罰』を映画化したロシア...

緋色の研究 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)


アーサー・コナン・ドイル
¥ 500 通常24時間以内に発送
★★★★

緋色の研究 新訳シャーロッ...
シャーロック・ホームズは最高に面白い本だとは認識していましたが、久しぶりに読んでみてやはり面白いと再認識してしまいました。 緋色の研究はホームズシリーズの中ではそれほどメジャーでないので映画化、ドラマ化されていないのだと思っていましたがそうばかりではないようです。 当時ヨーロッパにおけるモルモン教徒に関する認識がわかりますが誤解に満ちた部分が現代では信者に遠慮する面もあって放映されていないんだと思いました。 ただ当時、キリスト教徒にとってはモルモン教は新興宗教であり邪教の一種ですから冷たい視線で見ていたのもありましょうし、新興であるが故の過激な部分を教団も持っていたことは否めません。 現実にコナン・ドイルがこの作品を書いた頃はまだ一夫多妻を認めていましたから。 それとは別に作品自体は非常に面白く、読み出すと眠れなくなる感じでした。 訳もかみ砕いた感じでとても読みやすかったです。シャーロック・ホームズとワトスンが出会い、後に名高いベーカー街に部屋を借り、ホームズの探偵業が確定し、そしてワトスンがそれを記録することを決意する、シリーズの発端となる長編。 実際にコナン・ドイルが本作を最初の...

白痴 (下巻) (新潮文庫)


ドストエフスキー 木村浩
¥ 860 通常24時間以内に発送
★★★★★

白痴 (下巻) (新潮文庫)
正直に言って、この小説の登場人物の心理には、幾ら読み返しても分からない部分が残る。先ず、ムイシュキンがナスターシャとアグラーヤに対して抱く感情は、一体何なのか?(恋愛感情でない事は確かである。)それが最後まで分からなかった事を私は、正直に告白する。だが、そこにこそ、この作品の魅力が有る事も確かである。 この小説には、プーシキンの『エフゲニー・オネーギン』の影響が強く感じられる。かつて、ドストエフスキーは、モスクワにプーシキンの銅像が建てられた時、その序幕式でスピーチを行なひ、その中で、タチヤーナが、夫を選び、オネーギンに別れを告げる、『エフゲニー・オネーギン』の結末について触れ、「オネーギンの知的空虚に対するタチヤーナの道徳性の勝利である。」と言ふ意味の発言をして居る。『白痴』の物語と結末をドストエフスキーがプーシキンの銅像の除幕式で語ったこの言葉と重ねて考えると、ドストエフスキーは、『白痴』を、タチヤーナを苦しめた愛欲と道徳の間の葛藤を、自分と同時代の、全てのロシア人の葛藤として描いたのではないかと言ふ気がするのである。 この小説を読んだ人は、黒澤明監督の映画『白痴』を見るべ...

罪と罰 (上巻) (新潮文庫)


ドストエフスキー 工藤精一郎
¥ 660 通常24時間以内に発送
★★★★★

罪と罰 (上巻) (新潮文...
こんなにも間違いだらけの本をよく作れたもの。ドフトエフスキーが泣きますよ。 これから読むなら、絶対他の人の訳をお勧めします。作者は人を殺したことがあるんじゃないかというくらいに殺人者の心理描写がリアル。それぞれのキャラクターもたっている。長い話なのに全く飽きない展開。よい演劇を見ているかのようだった。 人間の心理をこんなに深く重厚に描いてくれて、文学万歳と思った。選ばれた人間は、自らが正しいと信ずるならば、法律(殺人)を犯す権利があるという自らの思想を実行に移すため、ラスコリーニコフは金貸しの老婆を殺害し、彼女の金を有益に奉仕しようと決意する。しかし同時に彼は老婆のみならずリザヴェータまでも殺害してしまった。犯行後、様々な人物が登場し、様々な思考がラスコーリニコフを過るが、ソーニャの勧めもあり、遂にラスコーリニコフは自白してしまった。シベリヤの流刑地にて八年間の懲役に服されるが、そこでも彼を見捨てずにいてくれたのが、ソーニャであった……。 本書の粗筋は多くの人が前提として知っていることでしょうが、実際に通読するとその濃度は計り知れません。日数にしても場所にしても短く狭い話なのですが...